発明家キット「ティンカリングラボ」を開発したコロンビアインターナショナルスクールの先生3名にインタビュー【Vol.1】

ティンカリングラボ導入事例

教師が指示しすぎず、​
子どもたちが主体的に学べる​
環境を作ることができるキット

「探究的な学びを取り入れましょう」「正解のない問いに向き合う力を育てましょう」…そう言われても、何を採用してよいかわからないといった課題に直面することは少なくありません。​

そんな悩みを解決するために「ティンカリングラボ」はあります。​

今回は、子どもたちの「探究心」と「創造力」を引き出すことを重視した教育と未来を生きる子どもたちにとって、本当に必要な力を育てることを重視されてるコロンビアインターナショナルの3名の先生にティンカリングラボ導入の経緯、活用法、子どもたちの変化、探求が苦手な先生へのアドバイスなどお話を伺いました。​

コロンビア・インターナショナル・スクールは、日本にあるカナダ式カリキュラムを取り入れたインターナショナルスクールです。幼稚園から高校までの一貫教育を提供しており、子どもたちは英語での授業を通じて、国際的な視野と豊かな思考力を育んでいきます。​

この学校が大切にしているのは、「探究心」と「創造力」です。単に知識を教えるのではなく、自分で考え、発見し、表現する力を伸ばすことを重視しています。生徒一人ひとりの個性を尊重しながら、チームで協力する力や、異なる文化を理解し受け入れる心も育てていきます。

また、アート、サイエンス、スポーツなどの体験型学習も充実していて、机の上だけでなく「体を動かしながら学ぶ」ことも大切にしています。​

未来を生きる子どもたちにとって、本当に必要な力を育てる。それがコロンビア・インターナショナル・スクールの教育です。


私たちはサイエンスフェアを開催し、そのためのアクティビティを探していました。​
4年生、5年生、6年生向けのものを、できれば幼稚園から3年生向けのものも。​
でも、それはうまくいきませんでした。​
ぴったり合うものが見つからなかったんです。​
そんな中、コロンビアインターナショナルの素敵なPTSAが助けてくれました。​
彼らがTinkering Labsを見つけ、私たちに提案を持ってきてくれました。​
そして、私たちは「YES」、ぜひ導入したいと決め、​

もし予算が問題なければ、できるだけ多く取り入れたいと思いました。​

​私たちも実際に試してみて、こう思いました。​
「これなら子どもたちに必要なものかもしれない」。​
そして、そこからスタートしました。​

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最初にこのキット説明書がないキットを子どもたちに渡したとき、​
予想どおり、大混乱。でも、それが実は大事なんです。​
何がなんだかわからなくても、自分で考えて手を動かしてみる——その過程こそが、学びの原点だからです。​

実際に子どもたちは、すぐに興味を示しました。​
手を止めることなく、「これは何?」「こうしたらどうなる?」と、次々に試し始めました。​
私たち教師サイドも初めてこのキットに触れたとき、夢中になったことを覚えています。​
「これはきっと、子どもたちにも刺さる」そう思っていましたし、その期待はしっかり叶えられました。​

もちろん、全員がすぐに飛び込めたわけではありません。​
中には、手を出すのをためらう子もいました。​
「難しすぎたらどうしよう」「うまく作れなかったら恥ずかしい」そんな不安を抱えていたのだと思います。​
でも、それも大切な気づきでした。挑戦する前の“ためらい”をどう乗り越えるかも、学びの一部なのです。

教室全体の雰囲気としては、ワクワクした気持ちや好奇心であふれていて、これを使ってどんなことができるのか、みんな楽しみにしていました。​
自分で考えて、試して、うまくいかなくて、でもまたやり直す。​
そんな“試行錯誤のプロセス”そのものが、子どもたちの成長を引き出してくれるのです。​

子どもたちは、最初はためらったり、不安そうにしたりする子もいますが、そこをどうやって乗り越え、徐々に興味を引き出していくか?それが、私たち教師の腕の見せどころです。​

こうしたプロセスを通して「やってみたい」という気持ちが芽生えること、それこそがとても大切なんです。​
授業の中ではよくあることで、たまたま私のクラスにも、新しいことに対して少し慎重に構える子が何人かいました。​
でも、それはごく自然なこと。​

新しい学びに向き合う中で、誰もが一度は立ち止まるものですし、それを乗り越えることが成長の一部だと思っています。

​特にこの年代の子どもたちにとって、実際に手を動かせる教材やアクティビティがあることはとても重要です。​
自分の手で何かを作ったり、触れたり、試したりすることで、学びが“実感”として体に入ってくるからです。

実際、私のクラスでも他にもいろんな活動を行いましたが、「手を使うもの」に対する子どもたちの集中力と熱中ぶりは群を抜いていました。​
だからこそ、今回のキットがとても良かったのは、何より“実践的”だったという点です。​

キットを配布すると、子どもたちはもう待ちきれない様子。​
「早くやろう!ルールはちょっと見ればいいよね!」「ゴーグルもあるし、もう始めていいでしょ!」と、興奮気味に準備を始めていました。​

もちろん、ルールや安全確認は大切。​
「ちょっと待って、落ち着いて。まずは安全を確認してからね」と声をかけながら、ゆっくりと次のステップへと進みました。​
カリキュラムの上でも安全は最優先ですし、何より安心して思い切り挑戦してもらうためには欠かせないステップです。​

それでも子どもたちは、「わかったから早くやりたい!」という気持ちでいっぱい。​
本当に、やる気に満ちあふれていたんです。​
そんな姿を見ると、こちらまでうれしくなりますよね。​